イエローストーン国立公園について
1872年にアメリカで一番最初に国立公園に登録されたイエローストーン国立公園。1978年には世界遺産にも登録される。ワイオミング州北西部を中心にアイダホ州、モンタナ州にまたがる広大な土地。アメリカ人にとって、人生で一度は訪れたいと思う場所。ここには、世界中でも類をみない約1万箇所の熱水現象が起きており、それらは4種類(間欠泉、温泉、泥壺、噴気孔)に分けられる。まさに地球の鼓動を感じられる場所。

旅行日数の目安は?
イエローストーン国立公園の敷地面積は、四国の約2分の1の大きさあり、主要な観光スポットをまわろうと思えば1日だけでは足りません。
初めて訪れる場合は一通り人気のエリアをまわるために最低でも2泊はしたいところ。アウトドア好きで観光の他にもハイキングや動物散策を楽しみたい人には、3泊〜4泊くらいの滞在がおすすめです。
また、イエローストーン国立公園と合わせてぜひ訪れたいのが、すぐ南に位置するグランドティトン国立公園。2箇所の国立公園をゆっくり回りたい人には、グランドティトン2泊+イエローストーン3泊くらいをおすすめします!
【別記事にてご紹介しています】
グランドティトン国立公園の観光におすすめのBESTハイキングコース紹介!
グランドティトン国立公園観光の楽しみ方と見どころスポット回り方紹介
イエローストーン国立公園内のドライブは、主に北ループと南ループに沿って移動します。
入園ゲートは東西南北5か所あり、どの方向から公園に入るのか、またその日の宿泊先の位置によって、自分にあった1日のドライブルートを計画しましょう!

世界遺産イエローストーン国立公園の人気観光スポット7つ紹介!
初めてイエローストーン国立公園に訪れる人がはずせない人気のスポットをご紹介します。
オールド・フェイスフル
イエローストーンに来たら絶対外せないスポットのひとつ。
規則正しい周期で間欠泉から大量の熱水が噴出され、その迫力は訪れた観光客をにぎわせています。
Faithful = 忠実と名づけられたほど、噴出のタイミング周期が規則正しく、予測できる間欠泉のため、Visitor Centerや食事施設などにその日の噴出時間が掲示されているので、次の噴出時間までの待ち時間は、同じエリアにあるUpper Geyser Basin(いくつもの間欠泉や温泉が集中しています)を散策しながら時間を調整できます。
人気なスポットのため、朝9時前や夕方6時以降の、比較的人が少ない時間帯がパーキングも空いていておすすめです!

グランドガイザー
個人的に、オールドフェイスフルよりも興奮したのが、Upper Geyser Basinにあるこのグランド間欠泉。
世界一の「噴出の高さ」を誇り、その高さはなんと55m以上になることもあります。
周期は7〜15時間に1度のペースで、噴出がはじまると9〜12分間ほどの間、活発に噴出がつづきます。
オールドフェイスフルよりも周期が長いため、時間がない人にはあまりお目にかかれないシーンだからこそ、見応えありです!

またこのグランド間欠泉の興味深い特徴として、噴出するタイミングが隣にある2つの熱水現象と密接に関係していること。1つは写真左端に見える小さい噴気孔のベント間欠泉(Vent Geyser)、もう1つはベントとグランド間欠泉の中間にあるターバン間欠泉(Turban Geyser)。
この3つは地下深くで熱水が繋がっており、7時間〜15時間に1度の周期で、中央のターバン間欠泉が噴出します。
このターバン間欠泉の噴出予測時間は、その日のだいたいの目安時間(例:11:30am〜13:30)が掲載されており、その間15分〜22分の間隔で何度か噴出を繰り返します。
ターバン間欠泉が噴出している間に、グランド間欠泉を覆う温水プールの水位が低くなると、グランド間欠泉は噴出しないしるし。 逆に、プールの水位がだんだんと高くなり熱水が急に沸騰しだすと、その数秒後にグランド間欠泉が一気に噴出し、大量に水が音を立てて放出されます!
この約2時間もの予測時間のあいだ、集まった観客の人たちといつグランド間欠泉が噴出するのかを待ちわび、その噴出が起こった時の感動を分かち合うのが楽しくて、とても印象に残っています。
モーニング・グローリー
こちらもUpper Geyser Basinにあるプールのひとつ。
茶→オレンジ→黄→緑→青のカラフルで色鮮やかなのが特徴。オールドフェイスフルから続くBoardwalkを歩いて約45分ほど、Upper Geyser Basinの北端にあります。

このあざやかな色の正体は、水中にいるバクテリア。温度の違いに適した種類が異なるバクテリアが、この幻想的なパレットを創り出しているのです。
温度が低い方から、黒→茶→オレンジ→緑→黄→青色になるにつれ高温です。

グランド・プリズマティック・スプリング
テレビやトラベルマガジンでよく目にする人が多い、巨大で色彩あざやかなグランド・プリズマティック。あたりの壮大な自然の中に、凄まじい存在感を示しています。
パーキングに車を停めてBoardwalkを歩いて近くから観賞する方法と、ここから5分程車で離れたトレイル(Fairy Falls Trail) を20分程登り、Grand Prismatic Overlook ポイントから遠目に観賞する2つの景色を楽しめます。

グランドキャニオン オブ ザ イエローストーン
イエローストーンリバーが長年の歳月をかけて大地を侵食し形成された美しい渓谷の景色と、アッパー滝とローワー滝の2つを色々な角度から楽しむことができます。
リバーを境に、サウスリムとノースリムに分かれており、いくつもあるビューポイントに気軽なトレイルに沿って歩いていくことができます。
おすすめはBrink of the Lower Falls ポイント(下写真) で滝の真横まで接近!凄まじい量の水が滝壺に落ちる迫力を直近で楽しめます。

Artist Point (下写真)からは、イエローストーン国立公園の名前の由来ともなった黄色い地肌のキャニオンとローワー滝を一望することができます。

ウエストサム
イエローストーンレイクの湖畔に位置するウェストサムは、美しい湖を眺めながら、鮮やかな青色の温泉プールを楽しめるのでとても印象的。
中でもAbyss Pool (下写真)は、まさに [Abyss = 底知れぬ深い穴] の名の通り、何だか穴の底に吸い込まれそうな感覚になります。
30分程あればすべて見て回れるので、公園南口ゲートを利用する人は初日か最終日にちょこっと立ち寄ることをおすすめします。
Boardwalkからは、水が透き通った湖でおよぐ淡水魚 Trout が見れたり、それを捕まえようと空から狙う鷹オスプレイや、特にはブラックベアーの姿も見れたりと、プラスαの楽しみもあります。

下写真はウェストサムのBoardwalkからイエローストーンレイクを撮影。
ハート型の穴を発見。

マンモス・ホットスプリングス
北口ゲートから数分のところにあるマンモス・ホットスプリングス。南ループで見られる間欠泉や温泉プールとはまた異なる、神秘的な情景を楽しむことができます。
地下深くから流れでる温泉に含まれる石灰分が長年をかけて地表に蓄積されつづけ、何層にもおよぶ石灰棚を形成しました。

セル状に温水がたまったプールをのぞき込んでみると、どんな触感なのか思わず触ってみたくなるような蓄積物が。

野生の動物と大自然を満喫するなら!
約1万にもおよぶ間欠泉や温泉の数で世界的に有名なイエローストーン国立公園ですが、広大な土地の大自然が国立公園に認定されて以降、ずっと自然のまま保護されてきたことで、ここではたくさんの野生動物が間近に見られることでも有名です!
イエローストーン公園内には現在、約5000頭のバイソンや700頭を超えるグリズリーベアやブラックベアが生息していると言われています。他にも、シカ科のムースやエルク、オオカミやコヨーテなど、なかなか見られない動物たちに会える絶好のチャンスです。
もちろん、こうした動物たちと人間の安全を守るために、公園内には定められたルールがあります。
- 決して動物たちに近づかないこと
- クマやオオカミからは最低91m以上離れること。
- バイソンやエルク、その他の動物からは最低23m以上離れること。
- 決して動物たちにエサや人間の食べ物を与えないこと
などなど。
公園内の動物たちは「野生」ということを忘れずに、ルールをきちんと守った上で、楽しくワイルドライフを探しに行きましょう!
ハイデン・バレー
南ループの東側、イエローストーン湖から流れるイエローストーンリバーに沿って北にドライブすると、広くオープンな草原地帯 Hayden Valleyに入ります。
ここではバイソンの群れが道路を大行進して、渋滞をつくってしまうことで有名。(Bison Jamと呼ばれています) 人間や車に慣れているのか、堂々と車の前に立ち往生したり、横切ったりとマイペースです。
他にも、水辺にはグースの群れやエルクが川を渡るシーンなど思いがけない動物との遭遇があり、楽しいドライブスポットです。

ラマ・バレー
北ループの北東部 Tower Junctionから212号線を東に走ると、野生動物たちの楽園 Lamar Valley に着きます。
この草原地帯は212号線に沿って流れる川 Lamar Riverに集まるバイソンの群れやブラックベアー、コヨーテやエルクなど様々な動物たちを見ることができる事で人気のドライブスポットです。
特にダウン&ダスク (Down & Dusk)と呼ばれる時間帯(あたりが薄暗い早朝や日暮れ時)は、めったに見られないオオカミなど珍しい動物にも会えるチャンスが高まります。
遠くにいる動物も見逃さないよう、双眼鏡があると便利です。
→ 公園内で出会える野生動物についての記事はこちら

気軽にハイキングを楽しみたい人におすすめ!
Trout Lake Trail
ラマバレーまで来たら、東側にあるトラウトレイク・トレイルをぜひ体験してみてください。
車7台ほどスペースがあるパーキングに停め、そこからスタート。
ピンクや黄色のカラフルな花々にはさまれたトレイルを進んでいきます。
角度がある小道を歩きますが、トレイルの長さは約1.9kmで、往復の所要時間はたった1時間弱ほどなので、気軽に楽しむことができます。

10分ほど歩くと、トラウトレイクに到着!(下写真)
ここからの景色を楽しむだけでも満足ですが、そのまま湖のまわりを一周グルっと回って同じ場所まで帰ってくるトレイルになっているので、時間がある人はゆっくり歩いてみてください。
